風邪症候群

一般的には「風邪」と言われるもので、どの年齢層の方でも罹患します。なお、風邪の原因は80~90%がウイルス性のものと言われています。疲れが溜まってきている、体力が落ちているといった際にこれらのウイルスが気道内に入り込むと、体内で増殖し発症するようになります。

自覚症状としては咳・鼻水、鼻づまり・のどの痛みのほか、発熱・頭痛・全身の倦怠感を伴うこともあります。

治療について

特効薬というものはありません。十分な栄養と水分補給を行い、安静にします。風邪は、これといった治療をせずとも自然に治癒していうものですが、症状がひどい場合は、対処療法として咳止めや解熱剤などの薬物療法を行います。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスに感染することで発症します。感染経路は、飛沫感染や直接感染で感染力は強く、同ウイルスは、大きくA、B、Cの3つの型に分けられ、A型の中には様々な種類(亜型:Aソ連型、A香港型 等)があります。流行するのはA型もしくはB型です(日本では12月~3月が流行シーズン)。

感染後1~3日程度の潜伏期間を経て、突然の高熱や寒気がみられ、頭痛、鼻水、喉の痛み、関節痛、全身倦怠感などの症状が現れます。熱に関しては2~3日で下がるようになりますが、その後も数日程度は感染力が残っているので安静に過ごします。なお、小児や高齢者、基礎疾患がある方で免疫力が低下している方は重症化のリスクが高く、肺炎やインフルエンザ脳症(小児の場合)などの病気を併発することもあります。

治療について

抗ウイルス薬はありますが、発症後48時間以内に使用しない限りは効果が乏しいとされています。また対症療法として解熱剤などを使用することもありますが、基本的には安静にし、体調が回復するのをひたすら待ちます。

気管支喘息

気管支喘息について

COPD

喫煙や化学物質(大気汚染)などによって有害物質を吸入し続け、気管支が慢性的な炎症を起こす、あるいは肺胞が破壊されるなどして、肺機能が低下して様々な症状がみられている状態をCOPD(慢性閉塞性肺疾患)と言います。病気の原因は明確にはなっていませんが、ほとんどの患者が喫煙者であるため、喫煙との因果関係は明らかです。欧米などでは、喫煙者の約30%が発症しているとも言われています。ただし、同じ家族内の患者も多く見られるため、遺伝性因子も指摘されています。

よくみられる症状は、咳が何度も出続ける、痰が増えるというもので、動作時に息切れするようにもなります。病状が進行すると安静時でも息切れするようになります。さらに体重減少、肺炎や肺がんを併発しやすいというリスクもあります。一度発症してしまうと、病気の進行を止めることは困難なため、発症させないことが大切であり、そのためには禁煙が最も効果的な手段となります。

治療について

喫煙をされている方は禁煙をします。そのうえで気管支拡張薬や吸入ステロイド薬、痰切り薬などの薬物療法をしていきます。また併せて身体機能の低下を防ぐために体力を向上させる呼吸器リハビリテーション(エルゴメーター 等)も行っていきます。なお症状が重度になると酸素療法などが用いられるようになります。

肺炎

肺に炎症が起きている状態が肺炎です。原因としては、肺の組織に病原体(ウイルス、細菌等)が感染し、ウイルス性肺炎、細菌性肺炎を発症するという感染症の肺炎(感染経路は飛沫感染、接触感染)をはじめ、投与している薬剤が引き金となって発症する薬剤性肺炎、アレルギーに伴って発症する肺炎もあります。このように原因は様々ありますが、その中でも肺炎球菌による細菌性肺炎の患者様が最も多いと言われています。

主な症状ですが、発症から3~4日が経過しても発熱(38度以上)や強い咳が続く、黄色や緑色の痰が出る、胸痛や息切れ・息苦しさがある、などが挙げられます。何の前触れもなく、上記の症状が現れたという場合は、速やかに当院をご受診ください。

治療について

原因が特定されていて細菌によるものであれば、原因菌に対する抗菌薬を使用していきます。なおウイルスには特効薬はありません。このほか対症療法として、発熱の症状があれば解熱剤、咳の症状がつらければ咳止めなどの薬物療法を行っていきます。